🕊️ ユリカモメ(百合鴎)
基本情報
和名: ユリカモメ(百合鴎)
英名: Black-headed Gull
学名: Chroicocephalus ridibundus
分類: チドリ目 カモメ科
全長: 約37〜43cm
分布: ユーラシア北部で繁殖し、日本には冬鳥として渡来
生息地: 海岸、港湾、河口、湖沼、湿地など
観察時期: 秋〜春(主に10月〜4月)
特徴
ユリカモメは、冬になると沿岸部や湖沼でよく見られる中型のカモメで、
滑るように広い空を舞う姿が印象的です。
冬羽では頭部が白く、耳の後ろに小さな黒斑が入るのが特徴で、
翼先端には黒色がくっきりと入ります。
春から夏にかけては頭部が黒褐色に変化し、
季節によって外見が大きく変わることでも知られています。
群れで行動することが多く、飛翔や着水のシーンは観察の魅力です。
鳴き声
ユリカモメは「キュイッ」「キュルル」といった
やや高く澄んだ声で鳴きます。
群れで飛んで移動する際は鳴き交わしながら飛ぶことが多く、
港や河口では賑やかな声が響きます。
食性
雑食性で、魚や小型の甲殻類、水生昆虫、貝類などを食べます。
沿岸部では波打ち際で小さな生き物を探す姿が見られ、
湖沼や河川では水面に浮いた餌や虫を拾うこともあります。
都市部では餌付けされたパンなどを食べる姿が見られることもあります。
繁殖
繁殖は主にユーラシア北部の湖沼や湿地帯で行われ、
ヨシ原や小島の地表に巣をつくります。
1回に2〜3個の卵を産み、抱卵は雌雄で協力して行います。
雛は巣立ち後もしばらく親と共に行動し、餌の取り方を学びながら成長します。
日本では繁殖せず、秋に渡来し、春に北へ戻ります。
撮影メモ
2025年11月、北海道・春国岱周辺で撮影。
澄んだ冬空を背景に滑るように飛ぶ姿が印象的でした。
逆光気味の条件では羽の階調を守るため、露出を控えめに設定。
飛翔シーンはシャッタースピードを速めにして、翼の形と羽の影を綺麗に写すと見応えがあります。
備考
ユリカモメは冬の北海道で最も身近に観察できるカモメの一つで、
港や河口、湖沼など多様な環境で出会うことができます。
夏羽への換羽が特徴的で、季節によって姿が大きく変わるため、
野鳥観察の入門種としても親しまれています。
群れで寄せては返すように飛ぶ姿や、
水面に舞い降りる瞬間など、写真としての魅力も豊富です。