Gemini に「この仕様書どおり実装して」と頼んだ結果が、“私は全部は作れません” という丁寧な自己紹介。

――なるほど、君も万能ではないのね。
作戦を変更
- モデル → 画面 → ロジック の順で小分け発注
- 生成されたファイルは VS Code + Copilot の力でエラー潰し
- 細部はやっぱり ChatGPT(o3)に質問して微調整
1. Model 生成はサンプル品質
Gemini に Model クラスを作らせると、表に出ない Enum や Provider がごっそり抜けていて即ビルド失敗。
「Missing part はこちらで補完してね」という暗黙の前提があるらしい。
結局 Copilot で既存 iOS 版を参考にしながら手直し → 何とか通過。
2. 基本情報画面は“動くだけ”
見た目はスクショのとおり DatePicker / Dropdown までは一発生成。
でも バリデーションも状態保持も未実装。
→ “サンプルを参考に拡張してね” で終わるので、
最終的に Riverpod + FormState を自前で組み込み。

3. 真打ち Copilot の威力
エラー箇所を VS Code で赤波線ごと投げると、Copilot が差分パッチを提案してくれる。
- 型不一致 → 型変換コードを自動挿入
- Firestore 書き込み → 既存 iOS コードを参照しつつ Flutter 用に翻訳
学び:Copilot は「比較対象」があると強い。
“白紙から”より “既存リポジトリ + 変更指示” で精度が跳ね上がる。
それでも「丸投げ」は難しい理由
ボトルネック | 何が起きるか | 回避策 |
---|---|---|
隠れ依存 | 生成コードに足りない import・クラス | iOS 版を横に置き Diff で確認 |
曖昧な指示 | 「いい感じに」で全く別仕様 | 具体的な画面モック & サンプル JSON を渡す |
ツールの性格差 | Gemini=大枠、Copilot=補完、ChatGPT=質問対応 | 役割分担を決めて使う |
月々いくら掛かってる?ざっくり試算
サービス | プラン | 月額(円) | 役割 |
---|---|---|---|
ChatGPT Plus (o3/o4) | 20 USD | 約3,200 | Q&A・デバッグ |
Gemini Advanced | 19.99 USD | 約3,100 | 要件分解・ひな形生成 |
Manus | 4,200 | 4,200 | 仕様書作成 |
合計 | 約10,500 |
→ 時給2,500円のエンジニアを4時間頼むコストとほぼ同じ。
「人件費ゼロ」には程遠いけれど、
24時間ノンストップで試行錯誤できるという価値は大きい。
“AI時代のエンジニア”に残る仕事
- 要件を言語化する力
- なぜその機能が必要か、ユーザーの文脈で説明できる
- 生成物のレビュー力
- 意図したUXになっているか、セキュリティ上の穴はないか
- マルチツール・オーケストレーション
- Gemini で叩き台 → Copilot で肉付け → ChatGPT で最終調整
- “指揮者”として最適なツールを選び、順番に使い倒す
つまり 「コードを書く」より「正しい指示を書く」 スキルが残る――
これって実は、プロダクトマネージャーに近い能力かもしれませんね。
次の一手 ✍️
- Copilot 版 Flutter プロジェクトで
- Model 再設計 → テストコード自動生成
- Firestore 連携を実装 → オフラインキャッシュ検証
- 完成したら Gemini に UI リファインを依頼してダークモード対応
- 並行して ChatGPT でリリース手順 & PlayStore 素材も準備
さあ、“AI 3 本立て” チームでどこまで行けるか。
次回は データ同期とオフライン対応の顛末 をお届け予定です。お楽しみに!