🪶カワアイサ(道東の野鳥図鑑)

🦆 カワアイサ(川秋沙)


基本情報

和名: カワアイサ(川秋沙)
英名: Common Merganser / Goosander
学名: Mergus merganser
分類: カモ目 カモ科
全長: 約58〜67cm
分布: ユーラシア北部・北アメリカ/日本では冬鳥として北海道〜本州中部に飛来
生息地: 湖沼・河川・湾内などの淡水域
観察時期: 主に冬(北海道では特に観察機会が多い)


特徴

カワアイサは大型のカモ科の鳥で、細長い体つきと長い赤色のクチバシが特徴です。
潜水が非常に得意で、水中を敏捷に泳いで魚を捕らえる姿がよく観察されます。

雌は茶色い頭部と、後頭部がやや逆立ったように見える冠羽が特徴で、
体は灰色で落ち着いた配色をしています。
雄は冬になると白と黒のコントラストが美しく、遠くからでもよく目立ちます。

警戒心はやや強めですが、群れで行動することも多く、
水面をすべるように移動したり、一斉に潜水する様子は観察していて飽きません。


鳴き声

カワアイサは普段あまり大きな声で鳴かず、
「クァッ」「ククッ」といった低めの声を発する程度です。
繁殖期にはもう少し多彩な声を出しますが、日本では繁殖しないため聞ける機会は少なめです。


食性

食性の中心は 魚類 で、潜水して水中を泳ぎながら獲物を追います。
細長いクチバシには鋸歯状の突起があり、滑りやすい魚をしっかり捕らえる能力に優れています。
そのほか、水生昆虫や甲殻類を食べることもあります。


繁殖

繁殖はユーラシア北部や北アメリカなどの寒冷地で行われ、
樹洞や岩の隙間に巣を作ります。
日本では繁殖しないため、国内では主に冬の観察が中心となります。
雛は非常に愛らしく、孵化直後から水上を泳ぎ、母鳥に連れられて餌を探す姿がよく知られています。


撮影メモ

2025年11月、北海道・琵琶瀬で撮影。
遠距離の個体で逆光気味の状況だったため、露出補正とノイズ対策が必要でした。
潜水と浮上を繰り返しており、動きのテンポが早いため、シャッタースピードはやや速めが安定。
群れの中に雌が多く、落ち着いて採餌している様子が観察できました。


備考

カワアイサは北海道の冬を代表する水鳥の一種で、
湖沼や河川で比較的観察しやすい存在です。
潜水しながら魚を追うダイナミックな行動が魅力で、
バードウォッチング初心者にも人気があります。
冬の冷たい水の上を優雅に泳ぐ姿は、季節感のある被写体として写真愛好家にも親しまれています。


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