ようこそ「道東の野鳥図鑑」へ
このページでは、釧路周辺で撮影された野鳥たちを種類ごとに紹介しています。
写真や特徴、撮影地の情報も掲載していますので、観察や記録の参考にしてください。
【野鳥一覧】
あ|か|さ|た|な|は|ま|や|ら|わあ

アオサギ
Ardea cinerea
湿地や河川、湖沼など水辺に生息する大型のサギ。
ゆったりと飛ぶ姿や、水面を見つめて静かに魚を狙う姿が印象的です。
道東の広い湿原や干潟でもよく見られ、集団で見かけることもあります。

アオジ
Emberiza spodocephala
低い藪や林の下草で見かけることの多い野鳥。
「チッチッ…」という地鳴きや、木の上でのさえずりが特徴です。

アカゲラ(赤啄木鳥)
Great Spotted Woodpecker
北海道でもよく見られるキツツキの仲間。黒・白・赤のコントラストが美しく、林の中で「コンコン」と木をつつく音で気づくことも多いです。オスは頭頂に赤い斑があるのが特徴で、メスはこれがありません。ドラミングと呼ばれる音を使った縄張り主張や求愛行動が印象的です。

アマツバメ
Common Swift
夏鳥として渡来し、空中を高速で飛び回りながら昆虫を捕食します。翼が鎌のように細長く、尾は浅い凹形。春国岱では湿地や林の上空を滑るように飛ぶ姿が見られます。

ウグイス
Japanese Bush Warbler
春を告げる「ホーホケキョ」の美しいさえずりで親しまれる野鳥。
茂みの中に身をひそめる習性があり、姿をじっくり見られる機会は意外と少ない。
この日は木の葉の合間から一瞬だけ姿を見せてくれました

ウミネコ
Black-tailed Gull
北海道の海岸や港でよく見られる中型のカモメ。鳴き声が「ミャー」と猫に似ていることから「海猫(ウミネコ)」の名前がつきました。翼の先が黒く、名前の通り尾羽の先端も黒いのが特徴です。
春から夏にかけて繁殖のために島嶼部に集まり、冬には南方へ移動する個体も見られます。飛翔時のシルエットや、海面すれすれを滑空する姿が美しく、釧路近辺でも比較的よく観察できます。

オオジュリン
Reed Bunting
オオジュリンはヨシ原などの湿地を好むスズメの仲間で、北海道では夏に繁殖する夏鳥です。
夏羽のオスは頭が黒く、白い首回りと胸の黒いネクタイ模様が目立ちます。
メスや冬羽は全体的に茶色っぽく地味な印象ですが、細かい模様が美しく、観察しがいのある鳥です。

オオハクチョウ
Whooper Swan
長い首と大きな翼を持ち、体の白さと黄色いくちばしのコントラストが美しい鳥です。
北海道では湖沼や河川でよく見られ、家族単位で休息したり、列を作って飛ぶ姿が観察できます。

オジロワシ
White-tailed Eagle
全長80〜100cmの大型のワシ。成鳥は白い尾羽と淡褐色の体色が特徴。北海道では一年を通して見られ、冬季は沿岸や湖沼周辺で魚を狙う姿が多い。
か

カワアイサ
Common Merganser / Goosander
カワアイサは、川や湖などの淡水域に生息する大型のカモ科の鳥で、
細長い体つきと赤い細長いクチバシが特徴です。
潜水能力が高く、水中を素早く泳いで魚をとらえる姿がよく観察されます。

カワウ
Phalacrocorax carbo
水面近くを直線的に飛び、潜水して魚を捕らえる大型の水鳥。翼を広げて休む姿も特徴的です。

キアシシギ
Grey-tailed Tattler
キアシシギは夏にシベリアなどで繁殖し、春と秋に旅鳥として日本各地の海岸や干潟に立ち寄るシギの仲間です。名前の通り、黄色い脚が特徴的で、灰色がかった体色をしています。写真の個体は足環を装着しており、渡り鳥としての調査対象になっていることがわかります。釧路湿原周辺の干潟や水辺で観察されました

キビタキ
Narcissus Flycatcher (Female)
春から夏にかけて日本に渡ってくる渡り鳥。オスは鮮やかな黄色と黒の体色で知られるが、メスは控えめな茶色と白の羽色で目立ちにくい。繁殖期は山地の林などで見られ、枝や葉の間にひっそりと姿を見せる。

コガラ
Marsh Tit
針葉樹林や混合林を好んで生息する小型のカラ類。頭頂部の黒い「帽子」が特徴で、よく似たヒガラやヤマガラと見間違われることも。地鳴きは「ジュピッ」や「ツピーツピー」。北海道では留鳥として一年中見られますが、警戒心が強く、目立たない存在です。

コサメビタキ
Asian Brown Flycatcher group
スズメ目ヒタキ科の小型の渡り鳥で、サメビタキ・コサメビタキ・エゾビタキのいずれかと考えられる個体。全体的に灰褐色で、喉から腹にかけては淡色。大きな黒い目と細めのくちばしが特徴で、昆虫を空中で捕らえる「フライキャッチ」を得意とする。夏季に道東の森林で観察され、秋には南方へ渡っていく。

ゴジュウカラ
Sitta europaea
森の中で見られる小さな野鳥。
太い幹を器用に上下へ移動する姿が特徴的です。
木の割れ目にくちばしを差し込んでエサを探す様子が印象的です。
さ

シジュウカラ
Japanese Tit
身近な野鳥として親しまれるシジュウカラは、黒い頭に白い頬が特徴的なシックな装いの小鳥です。市街地から山林まで幅広い環境に生息しており、「ツーピー、ツーピー」と聞こえるさえずりでその存在に気づかされることも多いです。昆虫や種子などを食べ、冬には群れで行動することもあります。

シマエナガ
Long-tailed Tit(Hokkaido subspecies)
シマエナガは北海道に生息するエナガの亜種で、
真っ白で丸い体つきが特徴の小鳥です。
冬には白さがいっそう際立ち、「雪の妖精」と呼ばれるほど愛らしい姿で人気があります。

セグロカモメ
Herring Gull
背中が淡い灰色で、翼の先端が黒く、体は白い大型のカモメ。沿岸部や港湾、河口などで見られ、冬季は北海道から本州各地に渡来。成鳥は黄色いくちばしに赤い斑点があるが、若鳥はくちばしや羽色が褐色を帯びている。

セッカ
Cisticola juncidis
草原や湿地の低い草むらにすむ小型の鳥。全長はわずか11〜12cmで、日本で最も小さなスズメ目の仲間のひとつです。短い尾と地味な羽色が特徴で、繁殖期には「チャッチャッ」とさえずりながら飛び上がる姿が印象的です。

センダイムシクイ
Phylloscopus coronatus
センダイムシクイは、全体的に黄緑色の羽と淡い腹部を持つ、小型のムシクイ類の鳥です。眉斑(目の上の白っぽいライン)がはっきりしており、頭頂にやや暗色の線が見られることもあります。鳴き声は「チヨチヨビー」と聞こえることがあり、これが名前の由来とも言われます。
た

ダイサギ
Great Egret
全長約85〜100cmの大型のサギ。
全身が純白の羽毛で、長い首と足が特徴。
繁殖期には背に長い飾り羽が伸び、くちばしは鮮やかな黄色になる。
日本では全国で見られ、湖沼・河川・湿地など水辺の環境を好む。
ゆったりと獲物に近づき、鋭いくちばしで魚や小型の生物を捕らえる姿が印象的。
冬季は群れで行動することもあり、飛翔時の大きく弧を描く翼は美しい。

タンチョウ
Red-crowned Crane
日本を象徴する大型のツルで、頭頂部の赤い皮膚が特徴。
主に北海道の湿原や牧草地で見られ、優雅な求愛ダンスや家族で行動する姿が人気。
冬は給餌場に集まり、美しい雪景色の中で観察できる。

トビ
Black Kite
北海道から本州、沖縄まで広く分布する中型の猛禽類。
道東でも湖沼や河川沿い、港周辺などでよく見られ、空高く旋回して獲物を探します。
魚や小動物、時には人の出す残飯も食べる適応力の高さが特徴。
幼鳥は全体に褐色で縦斑が目立ち、成鳥に比べて尾羽の形もやや丸みがあります。
な

ノビタキ
Saxicola torquatus
夏の草原や湿原で見かける小さな野鳥。
枝先や杭の上でピチピチと鳴き、虫を追って飛び回る姿が印象的です。
は

ハクセキレイ(幼鳥)
White Wagtail (juvenile)
全体が淡い灰色と白色で、成鳥に見られる黒色部分は未発達。スリムな体形と長い尾が特徴で、尾を上下に振りながら地面を歩く姿がよく見られる。水辺や農耕地など開けた場所を好む。

ハシブトガラ
Willow Tit
黒い「帽子」と短いくちばしが特徴の小型のカラ類。
幹に張り付きながら採餌する姿がよく見られ、釧路湿原周辺でも冬を通して観察できる。
ゴジュウカラと一緒に行動することも多く、林縁で小さな声を響かせる。

バン
Gallinula chloropus
湿地や池沼に生息するクイナの仲間。赤い額板と黄色の嘴先端が特徴で、
水面をゆったり泳ぐ姿がよく見られます。

ヒバリ
Eurasian Skylark
田畑や草原に生息する小型の鳥で、春先に空高く舞いながら「ヒーヒー」と澄んだ声でさえずる姿が特徴的。翼を震わせながら長時間空中で鳴き続ける求愛飛翔が見られ、春を告げる鳥として古くから親しまれています。地上では目立たないが、飛び立つと一気に高空まで上がる行動が印象的です。

ビンズイ
Anthus hodgsoni
森や林の中で見られるスズメほどの小鳥。
地上を歩きながら昆虫を探し、さえずりながら高い枝に止まる姿が印象的です。

ホオアカ
Chestnut-eared Bunting
スズメに似た小型の野鳥で、頬(ほお)に赤茶色の斑があるのが名前の由来です。頭部の縞模様と白いアイラインも特徴的。草原や農地など開けた場所を好み、夏には北海道などで繁殖します。オスは繁殖期にさえずりながら枝先や杭の上にとまる姿がよく見られます。

ホオジロ(頬白)
Meadow Bunting
ホオジロは北海道から九州にかけて広く分布するホオジロ科の鳥で、開けた草原や農地の周辺、低木のある里山などでよく見られます。
名前の通り、頬に白い斑があるのが特徴で、オスは特に白黒の顔立ちがはっきりしています。春から初夏にかけて「チョチュチュチュチュ」とさえずる声が特徴的で、よく電線や枝先で鳴いています。
草地や藪の中で地上採餌をすることが多く、種子や昆虫を食べます。
ま

マミジロタヒバリ
Blyth’s Pipit
マミジロタヒバリは、眉の部分が白く、全体に淡い茶褐色の地味な体色をしたタヒバリの仲間です。日本では主に旅鳥または冬鳥として渡来し、草地や農地などの開けた環境で観察されます。見た目は他のタヒバリ類とよく似ていますが、太く目立つ眉斑や、嘴がややがっしりしている点などで識別されます。
声はやや低めの「チッ、チッ」という地鳴きが特徴です。

モズ
Lanius bucephalus
秋から冬にかけて目立つ、小型の猛禽のような風貌をした留鳥。
鋭いくちばしで昆虫や小動物を捕らえ、「高鳴き」や
特徴的な「はやにえ(早贄)」と呼ばれる行動でも知られています。
開けた草地や農地、林縁などで見られ、
高い見晴らしの良い場所から獲物を探す姿が印象的です。
や

ヤマセミ
Crested Kingfisher
日本最大級のカワセミの仲間。
黒と白の斑模様と、大きく立ち上がる冠羽が特徴です。
渓流や清流の上流域に生息し、川面に浮かぶ流木や枝から水面を監視し、魚を狙います。
北海道では湿原の河川でも観察でき、
河川に倒れ込んだ枝や流木の上に止まる姿がよく見られます。
「キョッ、キョッ」と高い声で鳴きながら川沿いを飛び、
水中に勢いよく飛び込んで小魚を捕らえます。

ユリカモメ
Black-headed Gull
全長40cmほどの中型のカモメ。冬羽は頭部が白く、目の後ろに小さな黒斑が入るのが特徴。翼先端の黒色が目立ち、滑るような飛翔が美しい。北海道では秋から春にかけて見られ、港や河口、湖沼で群れで休む姿が多い。夏羽になると頭部が黒く変化し、季節によって姿が大きく変わる。
ら
わ
(※随時追加予定)
番外編

トビ
Black Kite
この写真が、野鳥撮影の記念すべき最初の一枚。
枝の陰に休んでいたため、顔は見えず…でも撮れたときは胸が高鳴りました。
まだ野鳥の動きに慣れておらず、これが“初陣”の記録です。

カンムリカイツブリ
Great Crested Grebe
繁殖期には頭に黒い冠羽と赤褐色の飾り羽が目立つ大型のカイツブリ類。水面を滑るように泳ぎ、潜水して魚を捕らえる。繁殖期には求愛ディスプレイが見られることでも知られる。

ヒヨドリ(幼鳥)
Hypsipetes amaurotis
市街地から森林まで幅広く見られる留鳥。
成鳥は灰色の体と頬の赤褐色が特徴ですが、幼鳥は全体に淡い色合いで、口元に黄色みが残ります。
北海道では繁殖期に多く見られ、夏の林内では親鳥と一緒に行動する幼鳥の姿が観察されます。
写真の構成について
- 成鳥・幼鳥・オス・メスなど可能な限り掲載
- 季節や背景の違いも比較できるように構成
- 撮影場所は可能な限り記録(釧路湿原・阿寒・塘路など)
ご利用にあたって
・無断転載はご遠慮ください。
・ご意見・追加情報などありましたら、お問い合わせからお知らせください。
本図鑑について
この野鳥図鑑は、北海道・釧路周辺を中心に、身近な自然の中で出会った鳥たちの姿を記録したものです。
ひとつひとつの種に愛着を持ち、できるだけその特徴や雰囲気が伝わるように構成しました。
- 構成・編集:ナレオ
- 写真・記録:ハナコ
身近な野鳥から、季節ごとに姿を見せてくれる渡り鳥まで。
自然の中での静かな時間が、誰かの心に届くことを願っています。
撮影担当あとがき
野鳥図鑑の写真をご覧いただきありがとうございます。
ギャラリー形式で複数枚の写真があるページはまだ限られており、
一部は「ピントが甘いけれど、この1枚だけ何とか撮れた」──そんな記録も含まれています。
それでも、ほとんどの写真は、鳥たちの“協力”があったからこそ撮れたものです。
彼らが少しの間立ち止まり、こちらに姿を見せてくれたその瞬間に、感謝の気持ちを込めてシャッターを切っています。
まだまだ野鳥の素早い動きにはついていけないことも多く、
思うようにいかない撮影ばかりですが、これからも少しずつ、静かに記録を重ねていこうと思っています。
使用機材
- カメラ:Canon EOS R7
- レンズ:SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary(Canon EFマウント)
- アダプター:Canon 純正マウントアダプター(EF-EOS R)