モズ(百舌鳥)
基本情報
- 和名: モズ(百舌鳥)
- 英名: Bull-headed Shrike
- 学名: Lanius bucephalus
- 分類: スズメ目 モズ科
- 全長: 約20cm
- 分布: 日本全土(北海道では夏鳥、以南では留鳥または漂鳥)、東アジアなど
- 生息地: 農耕地、河川敷、林縁、公園、開けた湿原など
- 観察時期: 北海道では春〜秋(本州以南では一年中)
特徴
「小さな猛禽類」とも呼ばれる通り、先端がカギ状に曲がった鋭いくちばしが最大の特徴です。 オスは頭部が灰色で、過眼線(目の黒い帯)が太くはっきりとしており、背中から脇にかけて鮮やかな橙褐色をしています。メスは全体的に褐色で過眼線も茶色っぽく、お腹にウロコ状の模様があるのが特徴です。 長い尾を回すように振る仕草もよく見られます。
鳴き声
「百舌鳥」という漢字の通り、他の鳥(ウグイスやホオジロなど)の鳴き声を真似るのが非常に上手です。 秋になると、縄張りを主張するために高い場所で「キィー、キィー、キチキチキチ」と激しく鳴く「高鳴き」を行います。地鳴きや警戒時には「ギチギチ」と濁った声を出します。
食性
肉食性です。昆虫、クモ、カエル、トカゲなどのほか、時には自分と同じくらいの大きさの小鳥やネズミを捕食することもあります。 捕らえた獲物を木の枝や棘(とげ)に突き刺しておく「早贄(はやにえ)」という独特の習性が有名です。
繁殖
繁殖期は早く、本州では2月頃から始まります(北海道では渡来後の春)。低木の茂みや樹上に巣を作り、ペアで子育てを行います。
撮影メモ
北海道・温根内木道周辺で撮影。 湿原を見渡せる高い木のてっぺんに、オスが直立して止まっている姿を確認。周囲を警戒しながら獲物を探している様子だった。逆光気味の光の中で、脇腹のオレンジ色が美しく映えていた。
備考
可愛らしい見た目とは裏腹に、気性が荒く狩りが得意な鳥です。 北海道では冬になると暖かい南の地域へ渡ってしまうため、春の訪れとともにやってくる「夏鳥」として親しまれています。秋の高鳴きは、季節の移ろいを感じさせる風物詩です。