🪶ハシブトガラ(道東の野鳥図鑑)

ハシブトガラ(Great Tit)


基本情報

和名:ハシブトガラ
英名:Great Tit
学名:Parus minor
分類:スズメ目 シジュウカラ科
全長: 約14〜15cm
分布:日本各地に広く分布
生息地:森林、公園、河川沿いの林、農耕地周辺
観察時期:一年を通して観察可能(留鳥)

ハシブトガラは都市部の公園でも見られる身近なカラ類ですが、
北海道では森の中で活発に動き回る姿が印象的です。


特徴

ハシブトガラは、黒い頭と胸中央の黒い縦模様「ネクタイ」が特徴です。
鮮やかな白い頬と黄緑がかった背中、淡い体色が美しく、
小型ながら存在感のある野鳥です。

オスは胸のネクタイが太めで黒色が濃く、
メスは少し細く見える傾向があります。

※北海道では「ハシブトガラ(Poecile)」という似た種が生息しており、
識別が大変難しいと言われています。
今回の個体は、頭部の黒のツヤ感や頬の白さから**ハシブトガラ(Parus minor)**と判断できます。


鳴き声

鳴き声は「ツツピー」「チーチーチー」とよく通る声。
春から初夏にかけてはさえずりが増え、縄張りを主張する姿がよく見られます。
森林の中に響くクリアな声は、静かな朝に特に印象的です。


食性

食性は雑食で、季節によって餌が変わります。
春〜夏は昆虫や幼虫、クモ類など動物食が中心。
秋〜冬は木の実や種子も積極的に食べます。

木の幹を上下に移動しながら餌を探すのが特徴で、
枝の裏側や樹皮の隙間を器用に探って採食します。


繁殖

繁殖期は4〜7月頃。
古い木の洞や巣箱、穴のある場所を巣に利用します。
巣材に苔や獣毛を使い、柔らかく温かい巣を作ります。

1回の産卵は6〜8卵程度。
抱卵は主にメスが担当し、孵化後はオスも給餌を行います。
親鳥がひっきりなしに餌を運ぶ姿は非常に活発で、見応えがあります。


撮影メモ

ハシブトガラは動きが速いため、撮影は少し難易度が高いです。
幹に逆さまに垂れ下がりながら採食する瞬間や、
枝から枝へ軽快に移動する姿は魅力的な被写体です。

シャッタースピードは1/800〜1/1600を目安に
動きを止めると羽毛の質感が綺麗に写ります。
背景に冬の森が入ると、黒と白のコントラストが際立ちます。

今回の個体は、朝の光を浴びながら幹を上下に移動しており、
目線をくれている写真は非常に印象的です。


📸 写真ギャラリー


備考

ハシブトガラとハシブトガラ(Poecile)は識別難易度が高いため、
「地域」「季節」「写真の角度」を複数組み合わせて判断すると精度が上がります。

北海道では、落葉した冬の景色では観察しやすく、
逆に葉が茂る夏は行動を追うのが難しくなります。

身近な存在でありながら、奥が深い識別対象として人気があり、
バードウォッチングや自然観察の最初の楽しみとしてぴったりの野鳥です。


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