ダイサギ(大鷺)
基本情報
和名: ダイサギ(大鷺)
英名: Great Egret
学名: Ardea alba
分類: ペリカン目 サギ科
全長: 約85〜100cm
分布: アジア、ヨーロッパ、北米、南米、オーストラリアなど広く分布
生息地: 河川、湖沼、湿地、干潟、田園地帯
観察時期: 一年中(繁殖期は地域によって移動)
特徴
ダイサギは全身が純白の羽毛で覆われた大型のサギです。
細長い首と脚、鋭い黄色のくちばしが特徴で、
静かに水辺を歩き、獲物を狙う姿は非常に優雅です。
繁殖期には背中から長い飾り羽が伸び、顔の皮膚が鮮やかな緑色を帯びます。
飛翔時には首を「S字」に曲げて飛ぶため、同じ白い鳥の白鳥とは姿勢で簡単に区別できます。
水面に映る姿や、霧の中で白く浮かび上がるシルエットは写真映えし、
朝夕の時間帯は特にドラマチックな雰囲気になります。
鳴き声
声は低く「ガァー」「クァァ」といった濁った鳴き声です。
普段は多く鳴きませんが、飛翔時や仲間との距離を保つ時に聞かれることがあります。
食性
水辺の小魚、エビ、カエル、昆虫、小型の爬虫類などを捕食します。
水面を凝視し、素早く首を伸ばして狙いを定め、
一瞬でくちばしを突き刺して獲物をとらえる狩りが特徴的。
特に早朝は活発に採餌するため、霧の中で獲物を探す姿が見られます。
繁殖
繁殖は水辺の林や葦原で行い、集団で巣を作る「コロニー」を形成します。
枝を組み合わせた巣に3〜4個の卵を産み、
オスとメスが交代で抱卵します。
ヒナは灰色がかった羽毛で、親に餌をねだる姿がよく観察されます。


撮影メモ
2025年10月、北海道・釧路川で撮影。
朝霧の立ち込める時間帯で、白い羽毛が柔らかく光を受け、
背景の葦原と霧で幻想的な雰囲気になりました。
飛翔シーンではシャッタースピード1/1600秒以上で翼の動きを止めると、
羽の質感や筋肉のしなりが際立ちます。
霧が濃い場合は露出補正を+0.3〜+0.7程度にすると白飛びを防ぎながら階調が残せます。
止まり姿を撮るときは、水面の映り込みや
首のラインが美しく見える角度を狙うのがポイントです。
備考
ダイサギは全国で見られる身近な大型の水鳥ですが、
釧路湿原で見るダイサギには独特の空気感があります。
白い体が霧と一体化し、静けさの中で浮かび上がる姿は、
北海道の水辺の美しさを象徴する光景です。
白鳥やカワウ、他のサギ類と一緒に行動することもあり、
混群の中で優雅に飛ぶ姿は観察者を惹きつけます。