🪶オジロワシ(道東の野鳥図鑑)

🦅 オジロワシ(尾白鷲)
White-tailed Eagleed Eagle


基本情報

和名: オジロワシ(尾白鷲)
英名: White-tailed Eagle
学名: Haliaeetus albicilla
分類: タカ目 タカ科
全長: 約80〜100cm
翼開長: 約200〜240cm
分布: ユーラシア北部で繁殖、日本には冬鳥として渡来
生息地: 沿岸、河口、湖沼、湿地
観察時期: 一年中(冬季は特に観察しやすい)


特徴

オジロワシは日本最大級の猛禽類で、大きく広い翼と長い尾羽が特徴です。
成鳥は尾羽が白く、体は淡褐色。くちばしは黄色く太く、遠くからでも力強さが伝わります。

幼鳥は尾羽が暗色で、体色もまだら模様が見られます。成長とともに白い尾羽が広がり、5年ほどで成鳥羽に切り替わります。


季節による違い

冬季は北海道に多くの個体が集まり、湖沼や沿岸に姿を見せます。
成鳥は通年白い尾羽を持っていますが、換羽期には羽の傷みが目立つこともあります。
若鳥は尾が黒く、体色が暗いため、成鳥と比べて地味な印象です。

特に冬季の北海道では、複数の若鳥が集まり、群れのように飛翔する姿が見られます。
家族や血縁個体だけでなく、周辺で生まれた若鳥が一時的に合流し、
同じ高度や方向で風を捉えながら飛ぶ光景は、春国岱や風蓮湖ならではのシーンです。
成長途中の若鳥は縄張りが固定されていないため、採餌場所や塒を共有する行動だと考えられています。


鳴き声

低めの声で「クォーッ」「クワッ」と長く響く声を発します。
飛翔中に群れで鳴き交わす姿が観察できます。


食性

魚類が中心で、河口や湖沼で水鳥を捕食することもあります。
冬季は死魚や流氷下の魚を狙うため、流氷沿岸でも姿が見られます。


繁殖

繁殖はユーラシア北部で行い、日本国内では繁殖しません。
巣は湖沼のそばの大木に作られ、1回に1〜3個の卵を産みます。


生息環境

北海道では一年を通して観察可能です。沿岸部、河口、湖沼周辺に多く、
特に冬季は結氷した湖や流氷沿岸で魚や水鳥を捕食します。


📸 写真ギャラリー


撮影メモ

この写真は海岸沿いの防波堤近くで撮影。霧の中、杭の上に止まり周囲を見渡していました。背景の消波ブロックと霧が、オジロワシの力強さと静けさを引き立てています。

別のシーンでは4羽の若鳥が一斉に飛び立ち、同じ高度で飛翔する姿を確認しました。
春国岱では冬の始まりに若鳥群が飛ぶ姿がよく見られ、この地域で撮影する醍醐味のひとつです。


備考

冬の北海道を象徴する猛禽で、風蓮湖・春国岱では高確率で観察できます。
家族単位で塒に戻る姿や、若鳥同士の飛翔練習など、社会的な行動も魅力です。


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