タンチョウ(Red-crowned Crane)
■ 分類
- 分類:ツル目 ツル科
- 学名:Grus japonensis
- 和名:タンチョウ
- 英名:Red-crowned Crane
■ 特徴
タンチョウは日本を代表する大型の鶴で、全長は約140~150cmにもなる優雅な鳥です。
白い体に黒い首と翼、頭頂の赤い皮膚が特徴で、「丹頂(=赤い頭)」の名の由来になっています。
翼を広げると2.4m近い大きさになり、その堂々とした姿から「鶴は千年」のことわざでも知られるように、古来から吉兆の象徴として親しまれています。
■ 生息地と分布
- 日本での主な生息地:北海道(釧路湿原、鶴居村、根室、厚岸など)
- 分布:日本(留鳥)、中国東北部、ロシア沿海地方
かつては日本全土に生息していたものの、乱獲や生息地の消失により一時は絶滅寸前まで減少。現在では保護活動と給餌のおかげで北海道東部に定着しています。
■ 行動・生態
- 繁殖期:春から夏(湿原で営巣)
- 食性:雑食性(昆虫、小魚、カエル、植物の根や種など)
- 特徴的な行動:つがいでダンスするような「求愛ディスプレイ」が有名
つがいで過ごすことが多く、非常に強い絆を持ちます。求愛や縄張り誇示の際には、首を上げて声を張り上げる「鳴き合わせ」や「ダンス」を披露します。
■ 観察のポイント
- ベストシーズン:通年観察可能。特に冬の給餌場(鶴居村など)では近距離で観察可。
- 観察場所:釧路湿原、鶴見台、音羽橋、温根内ビジターセンターなど
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■ 保護状況
- 国内保護状況:天然記念物、特別天然記念物
- 国際的地位:絶滅危惧種(IUCNレッドリスト:EN)
- 備考:人工給餌による個体数回復が見られる一方、自立や野生復帰の課題も指摘されている。